2011年07月07日
心の中 いつもいつも えがいてる
『 七夕の日
東幼稚園の子どもたちの
願い事 』
東幼稚園の子どもたちの
願い事 』
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ジャイアンに追われ、家に逃げ帰ってきたのび太。
のび太はドラえもんに
「あれ貸してよ。ほら、いつかつかったやつ。けんかに強くなるの。」
しかし、ドラえもんは冷たく言った。
「ひとりでできないけんかならするな!」
ドラえもんの表情は、妙に沈んでいる。
のび: 「おいどうしたんだよドラえもん。」
ドラ :「こないだから…言おう言おうと思ってたが…」
のび :「帰る?未来の世界へ!」
そう、明日の朝に帰ると・・・
のび太は驚き「なんとかして」とママに泣きつくが、「ドラちゃんにはドラちゃんの都合があるのよ。わがまま言わないで」
パパも 「人に頼ってばかりいてはいつまでたっても一人前にはなれんぞ。男らしくあきらめろ。」と言った。
その日の夜は、家族みんなでドラえもんのお別れ会をした。
そしてその晩、のび太はドラえもんといっしょの布団に入って寝る事にしたが、二人ともどうしても眠れない。
そこで二人は「朝までお話しよう」と"眠らなくても疲れない薬"を飲み、いっしょに散歩へ出かけた。
「お月さまがきれいだ。」
ドラえもんは言う。
ドラ :「のび太くん…本当にだいじょうぶかい?」
のび :「何が?」
ドラ: 「できることなら…帰りたくないんだ。きみのことが心配で心配で…。ひとりで宿題やれる?ジャイアンやスネ夫に意地悪されてもやり返してやれる?」
のび: 「ばかにすんな!ひとりでちゃんとやれるよ。約束する!」
その言葉を聞き、ホロリとするドラえもん。
ドラ :「ちょ、ちょっとそのへんを散歩してくる…。」と言って走り去った。
のび: 「涙を見せたくなかったんだな。いいやつだなあ。」
そして、のび太は、いつもの空き地の土管に腰掛けた。
すると、そこに寝ぼけながら散歩をするジャイアンを見つけた。
その時、ジャイアンはハッと目を覚ました。
ジャ: 「だれだっ。そこでにやにやしてるのは!なんだのび太か。おれが寝ぼけてるところをよくも見たな。許せねえ!」
ジャイアンはのび太の胸を掴み、のび太は思わず叫んだ。
「わあっ、ドラ…」
しかし、ここでドラえもんを呼ぶわけにはいかず、のび太は口に手を当てた。
のび太は言った。
「けんかならドラえもんぬきでやろう」
ジャイアンはボカッと一発、のび太を殴り飛ばした。
一方、ドラえもんは、のび太を探していた・・・
空き地では、ジャイアンはのび太を殴り続けていた。
ボロボロになってのびてしまったのび太。
ジャ :「どんなもんだい。二度とおれにさからうな。」
しかし、のび太はしつこくと起きあがり、ジャイアンに言った。
のび :「待て!まだ負けないぞ。」
ジャ: 「なんだおまえ。まだなぐられたりないのか。」
のび: 「何を。勝負はこれからだ。」
さらにガツンと殴られるのび太。
ジャイアンは殴り続け、のび太は倒れる。
ジャイアンは息を切らしながら言った。
ジャ :「ふう、ふう。これでこりたか。何度やっても同じことだぞ。はあ、はあ、いいかげんにあきらめろ。」
帰ろうとするジャイアンの足にしがみついて言った。
のび: 「ぼくだけの力できみに勝たないと…ドラえもんが…安心して…帰れないんだ!」
ジャ: 「知ったことか!」と、更にのび太を殴るジャイアン。
その時、ドラえもんは、のび太を見つけた・・・
ボロボロになりながらジャイアンと戦っているのび太。
のび太はジャイアンをしつこくつねっている。
ジャ :「いてて、やめろってば。悪かったおれの負けだ。許せ。」
ジャイアンは逃げ帰った。
のび太は全身傷だらけの姿でドラえもんに言う。
のび :「勝ったよ、ぼく。」
ドラえもんに抱かれながらのび太は言った。
のび :「見たろ、ドラえもん。勝ったんだよ。ぼくひとりで。もう安心して帰れるだろドラえもん。」
家に帰り、布団に入るのび太。そしてその寝顔を、涙を流しながら見つめるドラえもん。
翌朝、のび太が起きると、ドラえもんはもう、いなかった。
『さようならドラえもん』より
(小学館「小学四年生」昭和49年3月号掲載)
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最初は誰かの力を借りながら
次第に一人でも出来るように
そして誰かの力になれますように
『 七夕の夜
東幼稚園の子ども達に
願う事 』
東幼稚園の子ども達に
願う事 』
※長い文にお付き合いいただきありがとうございます。
Posted by sun at 20:40│Comments(0)
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